歯原病について ラジオでお話しです。
FMコミ天 放送原稿 2019年 10月14日
皆さん こんにちは
今日は 「歯原病」という本を出版されて
「歯の神経は抜いてはいけない!」
事を啓蒙されている JR博多駅筑紫口
近くで歯科医院を開業されている
中島龍市先生にお越し頂きました。
【プロフィール】
1952年生まれ 歯学博士
1975年 立命館大学理工学部機械工学科大学院
中退 「疲労破壊を研究」
1982年 九州歯科大学卒業
1984年福岡空港の近くで中島歯科開業
1987年現在地へ移転開業 今に至る
2015年「歯原病」の本出版
3Mix-MP法認定医
日本歯科東洋医学会認定医
【中島院長の挨拶】
歯科医学を深く勉強していくと
歯の神経を抜かずに残していく事が
どれだけ大切であるかと言う事が分かってきます。
しかし、
歯の神経を抜かずに治療していく事は
技術的に難しいし
歯科医院の経営でも 難しいことでもあります。
此の事を開業して 35年間 努力してきました
そして
2010年 「歯原病」と言うものに出会ったのです
アメリカで出版された ジョージ、Eマイニーの
「ROOT CANAL COVER-UP」の日本語訳である
「虫歯から始まる全身の病気」片山恒夫監修という本です
この本を読んで大きな衝撃を受けました
1か月位 体が興奮して体が熱くなっていました
「神経を抜いた歯が全身の病気を引き起こす」のであれば
我々歯科医は抜けないじゃないか
どうしたら良いのか!
と言う事です
冷静になって考えてみますと
その時 3年程前から
「3Mix-MP法」を取り入れていましたので
当医院では1年間を通じて
神経を抜く 治療は殆どありませんでした
歯を抜かずに「3Mix-MP法」を用いれば
「歯原病」の治療ができるのではないかと思いました
実行してみますと 非常によい結果が出ましたので
症例を集めて「歯原病」という本を出版しました
この「歯原病」という情報を広く
日本中に周知していく事
「歯原病」の治療をできる歯科医師を育てていく事が
私のライフワークとなりました
Q 「歯原病」とは何ですか?
A 失活歯(神経を抜いたは 或いは虫歯や外力により
神経が死んだ歯)が作り出す様々な全身の病気です。
病巣感染でもあります
具体的には
関節リュウマチ 全身性エリトマトーデス
シェーグレン症候群 ベーチェット病
関節の炎症や変形(股関節大腿骨頭壊死
ヘパーデン結節など)多発性筋炎
皮膚疾患(湿疹 アトピー蕁麻疹 乾癬など)
肺線維腫 気管支喘息 不整脈 心臓弁膜症
甲状腺・副甲状腺疾患 潰瘍性大腸炎 正常眼圧緑内障
パーキンソン病 認知症 などです
Q 病巣感染とは何ですか?
A 病巣感染とは原病巣(もともとの病巣)が原因となり、
遠く離れた部位に病気を起こす事である。
細菌やウイルスがリンパ球や抗体を刺激し
それらが過剰に反応する事
つまり 暴走して起こると考えられている
その為自己免疫疾患が多い
Q 自己免疫疾患とは何ですか?
A 自分の体が自分の体を攻撃する事です
先ほど 説明しました歯原病の症例の殆どが相当します
Q 歯原病の歴史は?
A数千年もの間 人類は虫歯で歯が痛んだら
その歯を抜く事しか できませんでした
つまり 基本的に治療できなかったのです
1905年にプロカインという安全な麻酔薬が開発されて
歯の神経を無痛下(痛みが無い)で
抜くことができるようになりました
つまり
歯を抜かずに虫歯に痛みを取り除く事ができるようになりました
この事は大変 素晴らしい 価値ある事であります
1923年 アメリカの歯科医師
ウエストン・A・プライスが
「DENTAL INFECTIONS」全2巻の本を出版して
失活歯(神経を抜いた歯)が引き起こす
全身の病気を極めて 科学的に証明しましたが
しかし
この情報は様々な理由により
隠蔽されました。
70年後の1993年 1943年 に設立された A・A・E
(アメリカ歯肉療法学会)の設立メンバー の一人である
ジョージ・E・マイニーが「DENTAL INFECTIONS」
の抄録本(まとめた本)「ROOT CANAL COVER-UP」を
出版しました
これによって 少しずつ
「歯原病」が知られていくようになりました
Q「歯原病」の発生メカニズムは
どのようにしてなっているのでしょうか?
A・写真や図を用いて説明すると分かりやすいのですが
言葉だけでは 難しいかもしれません
簡単に説明しますと
歯は エナメル質で覆われています。
これは非常に硬い物質です
その下に象牙質が有ります
歯を構成している殆どの部分に相当します
この象牙質は象牙細管という
非常に細いチュープの集合体です
また 象牙質には歯の神経が入っています
この象牙質の奥にも 歯の神経が有ります
動脈 静脈もきています
この神経は網の目状になっていて
非常に複雑な形をしています
つまり 歯の複雑な構造の故に
神経を抜くと
口の中の細菌が象牙細管の中に入り込んで
生き残るわけです
この細菌が 酵素もない 栄養素もない 非常に厳しい
環境の中で絶え抜かれて スーパー細菌として
生き残ると言う事です
このスーパー細菌が強い毒素を産出して
「歯原病」を誘発すると言う事です
象牙血管内に生き残った細菌を死滅させる方法は
現在の歯科治療では 無いのですが
但し
「3Mix-MP法」だけが 可能性として 持っています
試験管の中 (インビトロといいます)では
出来ますが
実際の臨床においては(インビボといいます)
出来るかどうかは施術者のレベルに寄ります
言い換えれば
非常に難しい治療だと言う事です
口の中の唾液には
500種類以上の細菌が存在していますので
常に細菌感染の可能性がある訳です
細菌による 再感染に常に気をつけながら
治療していかなければなりません
Q「3Mix-MP法」とは何ですか?
A 1998年 仙台の開業歯科医の宅重豊彦先生が
3種類の抗生剤を用いた方法を開発し
「3Mix-MP法」として発表しました
- 虫歯の自然治癒
- 象牙血管の中の細菌を死滅
この様な 2つの主な効能があります
虫歯に自然治癒ができるものとして
他にはドクベストセメントがあります